自分でバイクをメンテナンスするにあたって大切なことはグリスとオイルについて知ることだと感じた。グリスとオイルは根本的に同じだが、いくつも種類がある。間違って用いるとバイクは簡単に壊れてしまう。
今回はグリスの種類について、まとめておきたい。特にゴムを侵すかどうかは大切だ。ゴムを侵すグリスをゴム素材のパッキンやガスケットに塗ってしまうとオイル漏れの原因になる。
主だったグリスの特性とゴムへの侵食
- マルチグリス(又は万能グリス、リチウムグリス)
- ゴム侵す
- ベアリングや金属同士が擦れ合う所、シャフトの固着防止等広く使われる。耐圧、耐水、耐酸化性についてバランスがよい。金属部分はほぼこれでOK。
- モリブデングリス
- ゴム侵す
- 耐水弱い
- 耐熱強い
- 二硫化モリブデンという金属配合のグリス。耐圧性がある。グリス自体は熱に強くないが、油分が飛んでもモリブデン成分が残るため、熱かじりを起こし難い。エンジン関係の必需品。スパークプラグのねじ山にも塗布する
- 耐熱グリス
- ゴム侵す
- 文字どうり熱に強い。モリブデンで代用可能
- シリコングリス
- ゴム侵さない
- ゴム質、プラスチックを侵さず、金属にも使用可能。変質もあまりしない。ぶっちゃけこれがあれば、ラバーグリスとブレーキグリスは要らない。他にも電気式キャブヒーターに詰めたり、カプラー接点の保護に使ったりする。 極端に高価
- ラバーグリス
- ゴム侵さない
- ゴム質を侵さず、滑らか。密閉性、付着性も高い。主にブレーキの内部部品の組み付け時や、フロントフォークのシール類に使用
- ブレーキグリス
- 耐水強い
- 耐熱強い
- 耐水、耐熱に優れ、流れ難い。ブレーキのスライドピン、ハンガーピンに使用
- パッドグリス
- 耐熱強い
- 極端に硬く、熱に強い。ブレーキパッドの裏面に塗り、鳴き止めに使用。ざらつくので潤滑は不向き